不倫慰謝料請求の証拠として利用できるもの

　不倫慰謝料の請求は、あくまでも法律に則って進めていく必要がありますので、事前に根拠となる証拠を収集します。

　収集すべき証拠は、不貞行為（配偶者と不倫相手との間における性的関係）の存在を証明できるものです。

　不倫慰謝料の支払いを求めて訴訟をする場合、証拠によって不貞行為の存在を証明できなければ、基本的に敗訴することになります。

　話し合いで不倫慰謝料の支払いを求める場合も、十分な証拠は必要です。

　不倫をした側としては、仮に訴訟になっても敗訴しないと考えられるのであれば、示談に応じないことができるためです。

　以下、不倫慰謝料請求の際に利用できる証拠の代表例について説明します。

⑴　ホテルや不倫相手の自宅に出入りする動画や写真

　２人でラブホテルや不倫相手の自宅など、一般的に性行為に及ぶ可能性が高いといえる場所に出入りする動画や写真は、不貞行為の存在の証明力が強い証拠といえます。

　不倫の証拠として、一般的にイメージされるものの典型でもあります。

　ただし、違法行為に及んでしまわないよう、注意する必要があります。

　配偶者のパソコンやスマートフォンのパスワードを解除してデータをのぞき込むことや、ＧＰＳを用いた追跡調査は違法行為となる可能性があります。

⑵　性的関係を裏付けるメッセージ

　メールやＳＮＳなどを用いて、不倫相手と性行為の内容や感想についてのやり取りをしている場合や、性行為の約束を取り付けている場合、不貞行為の存在を推認できることがあります。

　このようなメッセージは、他の証拠と組み合わせると、より効果的です。

⑶　性行為の動画や写真

　第三者が、不倫をした配偶者と不倫相手との間の性的関係を直接証明できる証拠を取得することは、現実的には困難です。

　しかし、配偶者のスマートフォンやパソコンの中に、不倫相手との間の性行為の動画や写真されていることがあります。

　これは、不貞行為を直接証明できる証拠となります。

　⑴と同様に、違法行為には注意を払う必要があります。

　配偶者のスマートフォンやパソコンにパスワードが設定されている場合、本人の許可なくパスワードを解除すると、犯罪になる可能性があります。